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2022年学力テストB国語レビュー

だいぶ遅れてしまいましたが、学テBの国語レビューです。


10月道コンレビューはこちら


大問1(詩と随筆)

出典:吉野弘「詩の楽しみ 作詩教室」


𠮷野弘の詩と、その解説文という……

これ、2020年学テBと同じ作者で、本文の構成もほぼ同じという。

悪い問題ではないのですが、ちょっと素材文探しに手を抜きすぎじゃないですかね、いくらなんでも2年前の問題の焼き直しというのは。

内容的にも、2020年が「子どもが生まれた」ことを「子どもに死を与えた」と読み替えるもので、今回が「過ごす」という文字を「過ち」に読み替えるというもの。被りすぎでしょう。


ただ、問1はシンプルな問題でこういうのは好きですね。

ちょっと配点高すぎる気もしますが。

「一義的」という語句の意味を知っていれば解けるし、知らなくても後ろの「多義的」との対比から導くことも可能。


問2以降は問題としても普通で、特に書くべきことはないかな、と。


大問2(評論)

出典:川添愛「ふだん使いの言語学」


「語義」という、これもまた大問1と被るテーマで……。

まぁ内容的に他の問題と被ってはいけないというルールはないんですけど、なかなか良い問題だけにちょっと気になってしまう。


問2、指示語の問題は定番ですが、「前者」「後者」の内容を聞く問題って意外とそんなに見ないな、と。

基礎確認の問題としてもっと出題してもいいように思います。


問5まではどれも標準的なレベルの問題かと思いますが、問6はなかなか歯ごたえのある良問。


「~じゃない」を実際に頭の中で発音してみてほしいんですよね。こういうときは。筆者も「実際に口に出して言ってみていただければお分かりになる」と言ってるんだから、発音はできなくても具体的に音のイメージを持つことが大事。

すると「文字で書けば同じだけど、発音が違う」というポイントを書くべきだと気づけるはずです。


大問3(古文)

出典:「醒睡笑」


こぶとりじいさん……。

古文読めなくても、こぶとりじいさんのストーリー知っていればわかってしまうので、ここまで有名な話を使うのはいかがなものかと。


「失礼な、これでも最近ちょっと痩せたんだぞ」

「誰が小太りな爺さんの話をしてるんですか」

(立川志の輔「こぶとりじいさん」より)

現代語訳

訳は基本的に直訳ベースで、意訳せずに訳せるところはできるだけ意訳せずに訳しています。

また、訳の正確性は一切保証しません。この訳を引用、利用したことによる損害には一切責任を負いません。


ある所に、出家せず俗人のまま髪を剃って仏門に入った男子が、目の上に大きなこぶができた。悲しいけれど、どうしようもなく過ごしていたときに、人が語ることには、「どこそこの里に住むという老人が、山道を通ろうと思って道で鬼と出会って、長年邪魔だった目の上のこぶを取られて、身内の者、一族まで喜ぶこと限りがなかった」と言うのを聞いて、むやみにこれをうらやましがり、遠いところをその人(=こぶを取られた老人)のところを訪問し、当時の様子(=鬼にこぶを取られたときの)を納得するまで質問して、こぶを取られるという望みのために、その道端の小さな仏堂に行って(鬼を)待って座っていた。思ったとおり、何だかわからない者たち(=鬼?)が、夜更けに、たくさん集まり、大声でどなり騒ぎ、酒宴を始めるときに、仏門に入った男子が、わらなどで渦巻き形に丸く編んだ敷物を腰につけて踊ったので、(鬼は)「また来たような。約束を守って来てくれたのがうれしいので、以前のこぶを渡そう」と言うとすぐに、しっかり(禅門の目の上に)打ち付けたので、思いがけない災いを得て、こぶ二つの持ち主になって帰った。


読解のポイント

1行目

・「禅門」の後ろに「が」を補う。

・「ながら」には「~だが」という逆接の意味もある。

・「せん方なし」は「どうしようもない」という意味。

・「過ごしける」の後ろに「とき」を補う。

・「人の」は「人が」


2行目

・「老人」の後ろに「が」を補う。

・「~とて」は「~と思って、~と言って」

・「年ごろ」は「数年、長年」

・「うるさかりし」の「し」は過去。「うるさかった=邪魔だった」


3行目

・「尋ねきはめ」は「尋ね極め」なので、「最後まで、限界まで」質問したということ。


4行目

・「案のごとく」の「案=idea=考え」、「~のごとく=~のような」


5行目

・「円座を~」の部分は、つまり「老人がこぶを取られたときに、同じように鬼に踊って見せた」ということ。老人に話を聞いていたので、老人がやったのと同じようにやってみた。

・「また来しなり」……つまり、老人がこぶを取られたのは若いころの出来事だった? だから、青年である禅門のことを、老人がまた訪問してきたと鬼が勘違いした。

・「~うれしきに」の「に」は接続助詞。古文の「を・に・が」は「and・but・so」のような接続語として使う場合がある。


大問4(小説)

出典:寺地はるな「水を縫う」


「にゃんこなんとか」というスマホゲームって、「にゃんこ大戦争」ですかねやっぱり。

ちょっとだけやったことあります。


問5

1行目に「大陸」があるのを発見できると答えやすかったでしょう。

「大陸=仲のよい大所帯のグループ」なのだから、「孤島=ひとりぼっちで友達がいない状態」であることが導ける。


問6

「高杉くるみ」についての説明がほとんど文中で書かれていないのでイメージがつかみにくいですね……。

問題を解くだけなら基本の「きっかけ→心情→行動」の3点チェックをやればいいだけなのですが。

祖母と主人公との関係性と、高杉くるみと主人公との関係性がいずれも曖昧なので、結局この話がどういう話なのか読んでもいまいちわからない、という。

ちょっと切り取った箇所がよろしくないなぁ、と思いますね。


問7

道コンに比べて、学テのほうがこういう自由度のある問題をたまに出してきますよね。

この問題、わたしが中学生だったら

「俺にメンチ切るってことは、死にてぇんだな」

と答えるところですが、この解答を書いたらマルはもらえるのでしょうか。


2021年の学テは出典に工夫が見られて面白いと思うことが多かったのですが、今回はちょっと……


詩:2020年の焼き直し

評論:詩とテーマが被る

古文:「こぶとりじいさん」を知っていれば、読まなくても話がわかる

小説:説明不足で面白いところが何も伝わらない


もうちょっと素材文探しを丁寧に行ったほうがいいのでは、と。


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