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経営シリーズ Vol.1「教室はテナントで開くか、自宅で開くか」

FIVE過去問研究会「共通テスト第1日程古文」

今年から立ち上げた新シリーズ「FIVE過去問研究会(国語のみ)」、おかげさまで順調に進んでいます。

FIVE過去問研究会スケジュールと内容


まず今年度の「大学入試共通テスト第1日程」から順番に解説会を開いており、今回で第3回目です。



今回は「古文」だったので、一般的には高1~2生にはきつい内容になるはずなのですが……参加者の過半数が高1という。

高1生にホンモノのセンター、共通テスト古文を解説するなんてわたし個人からしても滅多にない経験でしたが、思った以上にどうにかうまく進められたと自分では思っています。


共通テスト評論、小説、古文、と進めてきて、来週は高校生は一回休み、ここから中学生向けの過去問研究会も並行して進めていきます。

来週は、中3「学力テストA(国語)」です。

まだ座席ありますので、挑戦してみたい方はお申し込みを。


塾経営シリーズ1「開業は自宅で? テナントで?」

前々回のブログで予告しましたが、今回から新シリーズはじめます。


毎回「塾経営」に関するテーマをひとつ取り上げ、わたくし村上の考えを語ることで、FiveSchoolsがどのような塾なのかを浮き彫りにしていこう、という試みです。


もちろん「塾経営」ですので、わりと生々しい数字とかも出すことがあると思います。というか今回から出します。

そんな話を実名公開どころか自分の塾のブログで書く塾経営者、日本中探してもわたしぐらいではないでしょうか。

タブーを恐れず突き進む、ジャーナリズム精神あふれた生き方をしていきたいと思っております。


まぁ、うちの高校生、わりとうちの教室の家賃とか把握してる(=授業中にわたしがしゃべってる)ので、今さら数字知られて困ることもないですしね。

包み隠すことなど何もないのです。

ガラス張り、透明性の高い経営。


あ、特にどんな話をするか具体的に決めてるわけではないので、

「こんなテーマで話を聞いてみたい」

というリクエストをご提案いただければ採用する可能性濃厚です。

保護者さま、スタッフの方々、関係者のみなさまぜひテーマください。


ということで、今回のテーマはこちら。

「個人塾を開くのは、自宅を利用すべきか? テナントを借りるべきか?」

あまり人を傷つけない、穏当なテーマから出発したいと思います。


いまの時代だと「貸会議室を借りて日替わりでいろんな場所で授業をする」みたいなスタイルもあるのですが(実はちょっとだけ検討したことはあります)、あまり一般的とは言えないので今回は気にせずにいきます。


自宅で開くのにも、テナントを借りるのにも、当然それぞれメリット、デメリットがあります。想定されるメリット・デメリットをざっと書き出してみましょう。


自宅で開くメリット

・家賃がかからない(持ち家の場合は特に)

・移動しなくてよいので、通勤時間と交通費がかからない

・エアコンなどの費用も(もともとついていれば)節約できる

・近所づきあいから生徒獲得できる(かも)

・土地勘が十分にある


自宅で開くデメリット

・自宅の場所が、営業に向いているとは限らない

・生活スペースが侵食される危険性(特に家族がいる場合)

・時間的にも、プライベートと仕事を区別できなくなる

・収容できる生徒数が少ない

・ビジネスとしての信頼度が下がる


こんなところでしょうか。

これを逆にしたものが、つまりテナントを借りた場合のメリット/デメリットということですね。


FiveSchoolsの結論

わたしは自宅で塾を開く、ということは考えたこともないです。

別に「生徒に生活エリアを荒らされたくない」とかそういうことじゃなくて、単純にビジネス上のメリットがわたしにとっては極めて薄いと判断したからです。

開塾計画時から、完全にテナント一択で、どのエリアでテナントを借りるのか? から考えはじめた感じです。

(なぜ琴似にしたのかは、次回のテーマにしましょうか)


ただ、それはテナントを借りることが正しくて、自宅で塾を開くことがダメだと言っているのではありません

その塾が目指す運営スタイルに合った立地で商売は始めなくてはならない」ということが言いたいのです。


わたしはみなさまご存知のとおり、開業する前からそこそこ売れている参考書を出版しているわ、大手予備校でそれなりに実績があるわで、まぁ一般的な塾の先生よりは知名度と信頼性を最初から持った状態で開業することができたわけです。ズルい、とよく言われる。


だとすると、わたしが塾を札幌で開くと公表すれば、

「村上先生に教われるなら、電車を乗り継いででも通いたい、送り迎えをしてでも通わせたい」

という生徒さん保護者さまが多少は出てきてくれることが予想されますよね。出てきてくれなかった場合はすべてが終わりますが、それはそれで仕方がないことです。


それなのにですよ。

わたしが自宅、つまり僻地あいの里の中の、さらに僻地の住宅街で開業したら一体どうなるというのでしょう。


「いくらなんでもあいの里はちょっと……」

となるでしょう。なりますよね。


たとえば、いまFiveSchoolsを支える大需要地のひとつは、円山・宮の森エリアの生徒さんたちです。もちろん琴似エリアのお客さまも多いのですが、琴似の塾で最も円山・宮の森エリアから通ってる生徒が多いのは間違いなくFiveSchoolsでしょう。

(いや、言い過ぎかもしれない)


琴似にはなんとか通ってきてくれても、円山・宮の森から「あいの里でも通う」と言ってくれるひとがそこまで多いとはなかなか思えない。

まぁ現にあいの里どころか石狩太美から通ってくれた生徒さんもいるわけですから、ゼロにはならないでしょうけどね。でも今よりは大幅に減るでしょう、間違いなく。


もちろん、一旦通いだしてしまって気に入ってくださったお客さまは

「車で送り迎えするからあいの里でも別にいい!」

と言ってくださるかもしれません。

ただ、それはすでに当塾を気に入ってくれているからであって、塾選びの段階であいの里にしか教室がない聞いたら、まぁ普通は候補にまず入れないですよ。


逆に、琴似であれば、琴似・八軒・二十四軒・山の手・発寒あたり、つまり「地元」の中学生をターゲットにした「普通の学習塾」としての側面も持ちつつ、その一方でJR地下鉄などの交通機関が完備されているわけですから、全札幌エリア、うまいこといけば小樽や千歳、岩見沢あたりの生徒さんまで「村上先生の国語を受けたい」と言って来てくれるかもしれないですよね。実際にわりとそういうエリアから来てくれて当塾の今があるわけです。

少なくとも「村上の国語」をひとつのセールスポイントにして塾をやる以上、自宅開業という選択肢などあろうはずもない、ということです。


もちろん、テナントを借りて大々的にやれば、物件取得費だけでなくて固定費、毎月のランニングコストも結構な金額がかかります。

FiveSchoolsでいうと、初期投資額はだいたい次のような感じ。


・保証金とか諸々 60万


・看板 40万

→2Fなので工事費が高い。塾名変更時に追加で30万ぐらいかかりました。


・内装工事 180万

→初期費用。最初、あの教室は完全にスケルトンだったので壁とか全部作りました。しかも、開業後いろいろあって150万ぐらい追加でかかるという。


・備品 120万


合計で400万ぐらいですね。ちょっと金かけすぎな感じはあります。通常400まで開塾時にはかけないと思います。

まぁわたしの場合は壁とか床の工事180万がとにかくでかいですからね。居抜きで塾の跡地を借りられたら、テナントからスタートしても200万以内でおさめることも十分可能だと思います。

これが自宅で開業するのであれば100万もかからずに開業できますからね。この差はたしかに大きい。


さらに、毎月の家賃+駐車場で16万、光熱費とコピー機リースなどで5万ぐらいは毎月かかります。まぁコピー機は自宅でもかかると言えばかかるんでしょうけど、自宅だったらわざわざリースまでしない塾が多いのかな、と。


要するに、これらのコストと天秤にかけて、テナントを借りたほうがメリットが大きいと思えばそうすべきだということ。

前述のとおり、わたしは「多少は生徒が来るだろう」という甘め見込みで塾を始め、実際開塾最初の夏期講習を終えた時点で15名の塾生が残ってくれました。

ノンブランドの個人塾で、他塾からの引き抜き一切ない状態ではかなりの好スタートだったと思いますし、営業電話かけてきた広告会社もだいたい数字を言うと驚いていました。


それと何よりも、わたしは予備校の仕事をレギュラーで持っているんですよね。

だから予備校からの収入でそもそも家賃ぶんぐらいはほぼ賄える状態、というか若干お釣りがくるぐらいだったんですよね。ていうか今もそうです。印税収入もあるといえばあるし。


そういった副収入も考慮すると、初期で400万の投資、月20万程度のランニングコストは十分リスクとして背負える、背負うべき範囲だと判断しました。まったく正しい判断であったと思います。


要するに、テナントでやるのが合うスタイルの塾もあれば、自宅開塾にしたほうがベターなケースもあり、それは塾のスタイル、やりたい内容によって変化するということが言いたいのです。

「地域密着で、自分が住むエリアの子どもたちの学力を鍛えたい!」というなら自宅開塾はもちろんアリだと思います。それはそれでとても意義のある塾を作れると思う。

でも、自宅のまわりにそもそも学校がない、小学生中学生がそもそもそんなに住んでないという環境だったら、いくら地域密着と言っても厳しい戦いを強いられることになるでしょうし。


最初から「テナントでやる」「自宅でやる」ということを出発点にして思考するよりも、まずは自分の強み、自分のやりたい塾がどのような塾なのかを現実的かつ具体的にイメージするほうが先であろうと思います。

手段は目的に従属するのです。

「自分が何をしたいのか、自分に何が必要なのか、現状はどうなのか」を考えて、そのための手段を講じることが大事なのです。

手段を目的と取り違えて、何も考えずに行動しても良い結果は得られない。


……なんだ、経営も、結局は勉強と一緒じゃないですか。


と美しく締まったところで今日はここまでとしたいと思います。

さっきも言いましたが、次回は「じゃあなぜ琴似の、今の場所にテナントを借りたのか」をテーマにしてみましょうか。

来週書くかどうかはわかりませんが、定期的にこんな話もしていきたいと思っております。引き続きお付き合いください。

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