
FiveSchools
政治現場からの小論文2020
ちょっと間が空いてしまいましたが、11月22~23日に行われた特別イベント
「政治現場からの小論文」
ご参加いただきました皆さまありがとうございました。
授業にも討論にも積極的前向きに参加していただき、かなり有意義な授業になったようにわたしとしては感じています。
このイベントは一体何なのかというと、わたしの関東生活時代からのTwitter友達、三鷹市議会議員であらせられる半田伸明先生と1年半ぐらい前に北海道のどっかでゴルフしたときのこと。
「そうだ、なんか今度Fiveでゲスト授業やってくださいよ」
と軽いノリでわたしが言い出したことに端を発したものです。
こういう発言はわたしは社交辞令ではなくマジで言っていますので、半田先生がOKしてくれた瞬間からマジで実現に向けて動いていったという流れです。
去年はまだ当塾は「教科別クラス制」でもなければ「FIVE学習会」も存在していなくて、基本的には5教科を週3で教える総合的な、いわゆる「普通の学習塾」だったんですよね。
だから当時はまだわたしがリアルタイムで社会を教えていましたから、そこで地方議会の先生に何か教えてもらうんだったら、それは「中3公民・地方自治」以外はありえないだろう、ということで去年は以下のような授業を開講しました。
このときの内容、感想は上の記事を読んでいただくとして、まぁ素晴らしかったんですよ。一言でいえば。
「これは継続的に講義していただきたい、しかも、知識伝達系の授業より、討論・議論型、ワークショップ型の授業をやるべきだ」
と直感的に思ったわたしは、去年の授業が終わった時点ですでに今年の打診を半田先生にしていました。内容のイメージも去年の時点で浮かんでいました。
本当は夏ぐらいにやるはずだったのですが、例のウイルスのアレもありまして、ちょっと伸び伸びになって結果去年と同じ11月になってしまった、ということです。
また半田先生は東京、こっちは札幌というどっちも例のウイルス的にはアレなアトモスフィアな中、遠方よりお越しくださったこと感謝以外の言葉がありません。
では、肝心の内容です。
わたしがこの授業を通して何がやりたかったかと言うと、大きく2つあります。
① 実際の市議会で討論された、リアルなネタをもとにしたテキストで授業を展開する
もちろん普段当塾で使っているテキストも、それはそれで良問ぞろいではあるんです。
(わたしが選んでいるんだから当然ですが)
良問ではあるんですけど、やはりリアルな現場で討論された鮮度の高い、現在進行形のネタというのはなかなか扱うことができない。
いや、正確に言えば「時事ネタ」は原則として現代文の授業では扱わないことにしているんです。
当塾の現代文テキストというのは、何年も繰り返し使って授業のクオリティを上げていくことを前提にしているので、何年経っても風化しない普遍性を持つ文章しかテキストとしては採用しないんですね。
であれば、まさに新鮮な時事ネタを日々現場で扱っている半田先生ならではの授業をここでやってもらえばいい。
そうすれば、当塾に足りないピースを補ってもらえるはずだ。
このように目論んだわけです。
この目論見は完全に当たりました。
② 賛否、両方の立場で物事を見る「複眼的」な視点を身につけてもらう
意見を言う、議論をするというのは、自分の主張を一方的に押し付けるものではなく、賛否それぞれの立場から主張を持ち寄って「より良い形に高めた結論を出す」ために行うものだとわたしは考えています。
現代文で扱う評論も、たしかに「賛否両論」のテーマが扱われてはいて、一方的に主張をぶつけるだけの文章というのは滅多に出ない(たまにはある)です。
ただ、評論というのは、あくまで筆者という主体がさまざまなデータ、議論、意見を一度呑み込んで、消化しきったものをまとまった文章にアウトプットしたものであって、生の議論そのものでは決してありえない。
だから「ゼロの段階から議論が昇華していく過程」というのを、現代文の授業を通して体験してもらうことはなかなか難しいのですね。
小論文の授業でならそれはそれで可能なのですが、授業時間の都合上、特別に希望する生徒以外にじっくりと時間をとって小論文を指導するというのは現実的にこれもまた難しい。
そうです。
要するに、半田先生をゲストに招いたのはただの思いつきでもなんでもなく、当塾に欠けている要素の補充に他なりません。
①と同様、わたしが「普段の授業に欠けているな」と感じていたピースを、ちょうどうまくハメこんでもらえるようなイベントにしたい、と思ってこの授業を企画したわけです。
だから、イベントとして「任意参加」にはせず、国語を受けている塾生には強制的に参加してもらったのですね。
もっと言ってしまえば、これはイベントではなくFiveSchoolsの授業の一環と言ってよいと考えています。
今回は、さすがに例のウイルス以外に扱うべきテーマはないだろう、ということで「プレミアム商品券」発行の是非、という超ホットなテーマを扱いました。
三鷹市、プレミアム商品券、どこかで聞いたような……と思われる方も多いでしょう。そう、このニュースです。
三鷹市ではないですが、このニュースもホット。
議論、討論の詳細な内容はここでは書きませんが、「商品券を出すか出さないか」という言ってしまえば(現代文の評論で扱われる壮大なテーマに比べれば)小さな話でも、
・駅の近くに住んでいる人とそうでない人
・健康な人とそうでない人
・商業に従事している人とそうでない人
・子持ち世帯とそうでない世帯
・自営業者とそうでない人
などなど、世の中にはさまざまな対立軸が絡み合いながら存在していて、それぞれの立場から違ったモノの見え方があって、単純に「善/悪」と結論づけられるものなど、世の中にはほとんどないのだということ。
このことだけでもうっすらと感じてもらえていたら、わたしとしてはとても嬉しいのです。
(外部からどうしても受けたい、という方がいらっしゃったらご相談ください。有料になりますが、動画アーカイブ受講は可能です)
次回、またネタを変えて「政治現場からの小論文2021」をやるつもりでいます。
たぶん夏~秋あたりに。
また、生徒さんに事後レポートを課していて、わたしと半田先生でこれから全員にコメントをつけていく予定です。
まだ半田先生には送っていませんが、最初に言ってしまうと、すばらしいなと思うレポートもあるし、全然まだまだというクオリティのものもあります。
頭を使ってよく考えたな、という努力が見えるものもあれば、そうでもないものもあります。
いいんです。
「現在進行形のホットな時事ネタについて、さまざまな立場からの意見をふまえて、妥当な結論を出して、レポートで文章化する」
今回1回の授業だけでどうにかなるような話では、そもそもないのですから。
まさに当塾が継続的に、長い目で指導していくべきことですので、今回のレポートがうまく書けなかったからと言って、特に凹む必要はないです。
(反省と改善は必要です)
ただ、ちょっと人数が多いので、レポート返却できるまで多少日数必要だと思います。
少々お待ちください。
以下、記念画像集を。

授業風景。LEDがこんなタイミングで半分故障。

議論する高1生チーム

はまぐり

たち

銀杏

なんだかんだ言って海老ですよね

天茶

翌日
天ぷらはご存知、天ぷらゆう喜。
焼肉は琴似園。
そして、おそらく、来週12月9日(水)のブログで、
「FiveSchools 2021年度運営体制」
を発表することになります。
ちょっと遅れたとしても10日(木)には出す。出します。
当塾への通塾をお考えの方は、必ず来週のブログを見ていただきたいと思います。
よろしくお願い須磨の秋(国語講師的な締め)