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2020年11月道コン国語レビュー

最終更新: 2020年11月26日

今回は、週末に行われました第4回道コン国語のレビューです。

半田先生によるイベントの話もあるのですが、それは来週ということで……



大問1(標準問題)

問1 「額」って、よく漢字で出題されますよね。過去何回も見た気がします。


問3 さすがに「明日は祝日だから、学校がありません」を「校舎がありません」の意味だと解釈するアメリカ人はそうそういない気はしますが……


問4 標準問題を受ける層だと「動詞と、助動詞を組み合わせた表現」という意味がそもそもピンと来ない人が多いだろうと思います。が、空欄にあてはまるものを4字で、という条件だけでまぁ答えはわかってしまいますよね。


全体的に特段コメントすべきことはなく、まさに標準的な問題だったかと思います。


大問2(文法・語句・資料読み取り)

問1 問題の意味はわかったとしても、「直すべき助詞を含む一つの文節」という条件を見落とした、あるいは「文節」に意味を理解していないせいで落とした生徒は実はかなりいるのではないかと予想しています。

「私の体が回復させる」→「私の体」は使役の対象なので、「私の身体を回復させる」でなければおかしい。

ここまではほぼ全員理解できるでしょう。

ただし答え方の条件は「一つの文節」なので「私の体が」と書いてしまうと2文節になってしまうのですね。だから1文節で「体が」と答えないと✕になってしまうということです。

文節ってアレですよ、「ネ」を入れて読むってアレです。

「私のネー、体がネー」だから2文節。


問3(2)

問題は悪くないと思うのですが、採点基準が明らかにおかしいので、ここは明確に指摘しておきたいと思います

この問題のポイントは

・みどり山展望公園の特長を答えること。

「名物が食べられる」「歴史を感じられる」は資料Aにはあるが、みどり山展望公園にないものなので答えにはならない。


・資料Cにすでに掲載されている情報は用いない。

→イベントの話はすでにCに書かれているので、これを書いたらペナルティ減点1。


以上のポイントから、答えに必要な要素は次の3つです。


① 美しい景色を感じられること

② 具体例1 桜並木→春に桜の花が見える

③ 具体例2 展望台→太平洋や周辺の山並みが見える


これら3点がすべてそろっていて満点、というのがあるべき模範解答の基準です。


このうち「③さえ書いてあれば満点」というのが道コンの基準なのです。

……なぜ③だけ?


現に解答例として


「展望台から太平洋を一望できることです。また周辺の山並みを見ることもできます」

この解答に「8点満点をつける」と明記されています。


①と②を書いて、③を書かなかった人は8点中5点。

でも、①と②を書かずに、③だけを書いたらそれで8点中8点。

さすがにバランスを欠いた基準だと思います。


たしかに、パンフレットを作る、という意味で最も必要な情報が③なのはわからなくもない。

②はしょせん春だけですから、年中見られるという意味で③を書かないと減点が大きくなるのは百歩譲ってOKとしましょう。

でも、国語の試験として、①②を無視して③だけを書いた解答に満点を与えるというのはさすがに筋が通らないでしょう。

①が2点、②が2点、③が4点、ぐらいのバランスならまぁ理解できるのですが。

(わたしは②が4点、③が4点、①がなかったらマイナス3点、ぐらいの採点基準が妥当かな、と個人的には思っていますが)

「③さえ書いていたら後はなんでもOK、8点get」なんて、そんな問題だったら8点も配点する意味ないじゃないですか。


さらに言うと、③だけを書いた解答は、問題文の「条件2」に違反しているため、満点を与えては本来いけないのですね。


「条件2 資料Bの情報を用いて、それが資料Aのどの項目と対応しているのかわかるように表現すること」


資料Aの内容がさきほど挙げた①~③のうちの①ですから、少なくとも①が書かれていない限りはこの「条件2」に違反することになります。

学テABCお得意の「ALL OR NOTHING」基準だったら、下手したら①がない時点で0点にされかねない答案に、道コンは満点を与えると言ってしまったのです。完全なるエラーです。


過去の採点基準に比べて、さまざまな解答の可能性を検討して詳細な採点基準を作ろうという意思は見えて、それはそれでいいと思うんです。

ただ全体として「何に点数を与えるべきなのか」「何ができたことを評価すべきなのか」という視点に欠けているのではないか、という印象を受けてしまいます。

ましてや、自分で設定した条件文を無視した答案に満点を与えてしまったのは、ちょっとね……。

問題としては今回の道コンは全体的に悪くないとわたしは思っているのですが、その分大変残念なことでした。採点基準の謎さ、残念さは、この先の裁量問題でもさらに発露されてしまいます。


大問3(小説)

標準的な問題だと思います。

問題、採点基準ともに、特にコメントしたいことはありません。

ちょっと問いがストレートすぎた気もしますが……


大問4(裁量問題・説明文)

問2 

・「日本人は不可解だというイメージ」を外国人が持つ理由

・「日本人は約束を守らない、ずるいイメージ」を外国人が持つ理由

これら2つを、合わせて40字程度で書け、という問題です。


模範解答の条件は

① 日本人は否定するときは肯定の余地を残すから。

② 肯定するときには否定の余地を残すから。


①と②でそれぞれ3点ずつ、あわせて6点というのが道コンの採点基準です。

態度では「いいですね」と言っておきながら、実は否定派だったことが後からわかる。

逆に「それはちょっと……」という態度をとっていたのに、実は賛成していると後から言われる。

日本人の考えていることはよくわからない、不可解だ、となります。


ただ……わたしは、もうひとつ書くべきことがあるように思っています。それは


③ 実際に、態度とは逆の行動をとることがあるから。


つまり波線部2の約束を守らない、ずるい」という理由説明として、先の①②だけでは弱いと思うんですよね。

①②は、不可解」の理由説明としてはいいと思うんですけど、これだけで「約束を守らないやつだ」とまでは言えないじゃないですか。

模範解答は「日本人は、否定するときには肯定の余地を残し、肯定するときには否定の余地を残しておくから。」ですが、わたしなら


「肯定、否定いずれにも逆の解釈の余地を残し、かつ実際に逆の行動をとることがあるから。」


と書くかな、と。

……中学生に期待するような解答ではないのでしょうが、だとすると、波線部2の存在意義があまりないように感じるんですよね。

「肯定、否定どちらの場合でも不可解さのもとになる」いうのは、別に波線部2がなくても読み取れることですし。


問3

「結構です」は、あいまいな否定の表現であるが、なぜあいまいなのかを説明せよ。


採点基準

① 本来、肯定の意味を持つ言葉だった

② なのに、拒絶の意志を表明するのに用いているから

①と②で各3点ずつ、合計6点です。


たしかに、直前の指示語「そのような」があり、その前段落の内容表現を使って書けばこのような模範解答になるのは理解できます。

わたしも、自分で答えを書くならこのような感じで書きますので、この解答じたいに問題があるとは思っていないです。


ただ、「結構です」という言葉が「もともと肯定、否定どっちの意味だったのか」は、現時点で生じているあいまいさとは直接関係ないと思うんですよね。

たとえば


「『結構です』という言葉は、使われる状況によって肯定、否定どちらにもなる可能性があるから」


と書いた生徒には何点を与えるべきなのでしょうか。わりと多いんじゃないかと思うんですけど。


つまり「言葉だけでは肯定か否定かわからない」という内容さえ書かれていれば、「結構です」が持つあいまいさの説明としては十分なのではないかと思うのです。わたしはこの答案には満点を与えて然るべきだと思います。

もし、どうしても模範解答のように書かせたいなら「『結構です』という言葉の成り立ちをふまえて」のような条件を設定したほうがよかったのかな、と。


問4

今回は採点基準に文句ばっかり言ってますが、これも同様です。

問われているのは「これからの日本人が、イエス、ノーをはっきり言う必要がある」理由を答えよ、ということ。


採点基準

① 人生は否定と肯定とで織り出されている行為の集積である(52~53行目)

② あいまいな表現を使うと、自分の人生もあいまいになる、メリハリがなくなる(54行目)

①②がそれぞれ3点、合計6点です。


・「人生があいまいになる」「メリハリがなくなる」の意味がそもそも具体的によくわからない

・「織り出されている」が比喩なので、そのまま用いるべきではない

という問題点もあるのですが、最大の問題は55行目「日本人が地球社会で生きてゆくためには」を無視していることです。


この文章全体の趣旨から見ても「個々人の生き方」を述べているのは最終段落だけで、それ以前はずっと「世界の人々はイエスノーをハッキリさせたがる」話が書かれているんです。

だったら最後のまとめとしても

「イエスノーをあいまいにしていると、地球社会で外国人とうまくやっていけない」

という解答が入って当然じゃないですか。最終段落にもちゃんと書いてあるわけですから。

なのに、なぜか「地球社会」の話は採点基準に全く入っていないので、ここを一生懸命書いても1点ももらえない。


①、②に加えて

③ あいまいな表現を使うと、地球社会でコミュニケーションがしにくい

を基準に入れ、①②③各2点、合計6点としなければおかしい。


問2、問3でも基準に文句言いましたが、これらは「もっとこうすればよかったんじゃないかな」という個人的な意見にすぎません。しかし、問4については(大問2も)完全にエラーだと思います。



大問5(漢文)

問題としてはあまりにも平易、というかほぼ全文に注釈がついているので、返り点の問題以外はもはや古典のテストとして成立していません。

忘れたころに漢文は出るんだぞ、ということだけは意識してもらいたいですが……。


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