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2020年学力テストC国語レビュー

最終更新: 11月19日

今週は、先週行われた「学力テストC」国語のレビュー回です。

また、ちょっと問題作というかなんというか……。


2020年学力テストAレビュー


2020年学力テストBレビュー


大問1(俳句)

前回も触れましたが、公立高校入試で詩、短歌、俳句が事実上排除されて久しくたちますが、学テについては頑なにこれら韻文を出題し続けています。


わたし個人としては韻文出題には肯定的なので、決して悪いこととは思っていないです。

ただ、「入試の前哨戦」という位置づけで多くの方がとらえている学テABCの在り方としてどうあるべきか、はまた別の話かなとも思いますが……。


プレ入試、という形式にこだわらないのであれば、韻文も資料読み取り問題も両方出せばいいんじゃないかな、と思うんですけどね。

理科なんて入試に寄せる気ゼロなんですから、国語も無理に入試に合わせなくてもいいような気もしますが。


問題としては、正直特にコメントするようなものではなく、ごく基本的な知識と読み取りを問うだけのものです。

問1、問3は知ってて当然の知識、知らないなら覚えておけ、というだけ。

問2は、ほぼ間違えようがないレベルでしょう。

(逆にどんな誤答例があったのか見てみたい)


少し基礎的な読解法がないと間違えやすいのは問4ぐらいでしょうか。

韻文というのは「作者の心情」もたしかに大切なのですが、それと同等、あるいはそれ以上に「情景」の正しい把握が重要なのですね。


星が「いくつ」あるのか? → 「ぺちゃくちゃ」「おしゃべり」という擬人法から、「たくさん」あることを把握する。よってア、イは消去。

地上にあるものは何か? → 「雪だるま」なのでウは消去。答えはエ。

このような流れで解答を出していきます。


問5 この波線部で、あえて擬人法を完全スルーして直喩だけを問うのはどういう理由があるのかちょっと謎です。もったいないですよね。

わたしが出題者だったら「正しいものをすべて選べ」にして直喩と擬人法を両方答えさせる問題にすると思います。


大問2(小説)

問2の文法問題、「紙一重だ」の「だ」の意味・用法を問う問題なのですが、まずウ、エの選択肢は論外ですので、先に潰しましょう。

ウは、助動詞「ようだ」の一部、エは完了の助動詞ですね。

ここは問題ないのです。


ア「確かだ」は形容動詞です。

形容動詞の特徴

・名詞を修飾するときは「~な」の形になる。

・「とても」「少し」のような修飾語をつけることができて、「状態」を主に表す


イ「中学生だ」は、名詞(中学生)に断定の助動詞(だ)がついたものです。

「名詞(+だ)」の特徴

・名詞を修飾するときは「~の」の形になる。

・「とても」「少し」のような修飾語をつけることはできず、「物体」「概念」を主に表す


これらの特徴をふまえて今回の「紙一重」を考えてもらうと、わりと微妙な問題を含むことに気づかれるのではないでしょうか。


まず一つ目、「~な」になるのか「~の」になるのか、で見分ける方法。

「確かな」とは言いますが、「確かの」とは言いません。

「中学生の」とは言いますが、「中学生な」とは言いません。

「紙一重の戦い」が正しいのは明らかですが、「紙一重な戦い」というのはどうでしょうか。

「紙一重な性格」「紙一重な場合」など、「~な」にしてもイケる、違和感がないと思う人もそれなりに多いだろうと思います。

どっちが「規範的」かと言われたら「紙一重の」のほうが規範的なので、だから答えはイなのですが……今回の本文も「罪深さと紙一重な楽しさ」と書いてしまえば、それほど違和感がないような気もしてしまう。

正解がイであることに異論じたいはないのですが、このような微妙なケースを文法問題として出題するのはあまり適切とは言えないかなぁ、と。


他の例で言えば「最悪」とか「馬鹿」あたりも名詞なのか形容動詞なのかが微妙なケースです。

「最悪な人」「最悪のケース」

「馬鹿な人」「馬鹿の食べ物」

言葉というのは揺れ動きながら変化するものですので、微妙なケース、見方によって判断が異なってくるケースなどというのはいくらでもあるものなのです。


二つ目の観点で見てみるとどうでしょう。

「とても確かだ」とはいえるけど、「とても中学生だ」とは言えない。

「とても紙一重だ」……これ、アリですか? ナシですか?

わたし個人的にはナシかな、という感想なので、やはり答えが「名詞」であることには異論はないのですけどね。

ただ、「紙一重」が「物体/概念」なのか「状態」なのかと言われると、どっちかというと「状態」的では? という気もするわけです。

いずれにせよ、中学生の学テでそんなの出します?

もっと言ってしまえば、学者によっては「形容動詞」という品詞じたいを認めない!って立場の人もいっぱいいますからね。

形容動詞に関係する文法問題を出題するって、かなり気を使ってやらなければいけないことのはずなんです。本来。


その他の問題については、ごくオーソドックスな問題だと思いますので、特段コメントする必要はないかと思います。


いつもどおりですが「何が問われているのか」を正確に把握して、それにストレートに答えることが高校入試国語における最大のポイントです。

問4は、ちゃんと「矛盾」を答えていますか? 

矛盾してない解答にしてしまうと、どうあっても満点はつかないわけです。

本文を読めるかどうか、それと同等、あるいはそれ以上に「傍線部&問題文」を読む力というものが求められるのです。


大問3(古文)

有名出典で、問題もごくオーソドックスです。

特にコメントはありません。

問題があるとすると、あまりに有名すぎる出典なので、塾で国語を受けている生徒の多くが塾のテキストや過去問でネタバレしてしまっているところでしょうか……。


大問4(説明文)

問2 この接続語の問題はちょっと微妙かと。

①が「さらに」なのはわかるとして、②は確かに「ただし」でもいいのですが、「あるいは」を排除しきれるかと言うと難しいように思います。

接続語の問題もかなり気を使って作らないと「答えが2つ」みたいな事態になりかねないので……。


問4 問題としては良い問題だと思うのですが、模範解答が明確にダメです。(2つの学校で一致していたので、学校が作ったものではないと思います)


入手した模範解答

「周囲の人の目に映る自分の姿が肯定的なほど嬉しいし、力が湧いてくるから、自分の姿を輝かせてくれる鏡(仲間)がほしいということ。」


何がダメかというと「鏡がほしい」の部分です。

本文を読めば明白なのですが、この「鏡」は本当の「鏡」ではなく「他人の目」のことを比喩的に表現したものです。

「鏡を見て、人は自分の外面を見ることができる」

「それと同様に、他人の目を通して、人は自分の内面を知ることができる」

という趣旨の文章ですね。

いまは「内面」の話をしていますから、本物の鏡のことを言っているわけでないのは明らかです。


だから、解答も「鏡」という比喩ではなく、それが「他人の目」であることを具体的に示さないと説明にならないんです。

模範解答では「鏡(仲間)」としてますが、逆です。

「仲間(※ただし「鏡」も許容とする)」

ぐらいならまだ理解できなくはないですよ(賛成はしませんが)。

この書き方だと、「鏡」と答えるほうが正しいみたいじゃないですか。


なんか、道コンもそうですけど、最近「比喩を模範解答にそのまま説明なしで使う」ってケース多すぎませんか? 

こんな記述問題のクセを中学生につけさせてしまったら、高校進学後にえらい目に合ってしまうのですが、ね。


ちなみに、この問題で「鏡」と書かないと✕だ、「仲間」「他人の目」と書いたら✕だ、と主張している国語の先生がいるらしいですね。

理由を聞くと「直前にあるからだ」としか答えてくれない、という情報がまことしやかに聞こえてきますが……


わたしが解答を作るなら、こんな感じにします。

「周囲に肯定的に見られることが喜びや自信を生むため、自分の能力や人柄を高く評価してくれる他者が身近にいてほしいということ。」

ちょっと文末に違和感あるのですが、今回の質問にそのまま答えるとどうしてもこんなふうになってしまうんですよね。


このわたしの解答は、その先生が採点すると0点になることが明らかになっています。

なぜならこの解答は、上記の情報を提供してくれて0点にされた生徒の答案とまったく同じ内容であるからです。


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来週は、2週連続のテストレビューですね。

第4回道コンの国語について、また思うところを書こうと思います。


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