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2020年10月道コン国語レビュー

最終更新: 11月19日

今回は、週末に行われました第3回道コン国語のレビューです。

どのような試験だったのでしょうか。

大問1(知識、対話)

問3 行書に関する問題はひさしぶりに見た気がします。

こういう、普通学校や塾ではなかなか勉強できない細かい知識は拙著「やさしい中学国語」で網羅していますので、勉強したい人はぜひどうぞ。

問5 「苦情を伝えるには、怒りをぶつけるのではなく、事実を客観的に伝え、さらに相手の共感を導き出すべし」

という、なかなか渋い主旨の文章です。

……大問1は標準問題ですが、大問2の「道案内」なんかよりよっぽど中身のある文章だと思うんですよね。大問1と2、逆にすべきでは?

大問2(知識、対話)

全体的には標準的なレベルかと思いますが、採点がALL OR NOTHINGになりがちな「道案内」ですか……。上位層の生徒でも意外と豪快な「やらかし」が発生しやすいタイプの問題です。


問1 「顔が立つ」の意味もさることながら、そもそも「面目を保つ」の意味がわからない生徒も結構多そうですね。

「顔を立てる」「顔を潰す」「顔に泥を塗る」あたりもセットで覚えておきたいところ。

こういった言葉のニュアンスは「仁義なき戦い」を見るとすごくよくわかるようになるのですが……。

問3(2) 道案内問題は、とにかく「条件違反」が恐ろしいんです。

前回2019年11月道コンでも道案内問題が出て、そのときのレビューでわりと批判的に書いています。


どういうことかというと、たとえ目的地にきちんとたどり着ける案内をしたとしても、今回は「最短距離」という条件を無視した段階で0点になってしまうのですね。中間点1点すらもらえない。それって、なんのための「5点問題」なの? と思ってしまうのです。

あと解せないのが「目的の場所を2つ以上入れろ」という指示に違反したものは3点マイナスで済むのに、最短距離でなかったものは無条件で5点マイナスになるというところですね。

この差はいったい何……?

だったら「最短距離ではないものの、一応目的地には着ける答案」にも2点を与えて然るべきだと思うのですが。

さらに言ってしまうと「道順が不明瞭なもの」を3点マイナスで済ませるのがさらに謎です。

道順が不明瞭だと、そもそも目的地に着けない、誤った場所に着かせてしまう可能性が出ますよね。

「そもそも目的地に着けるかどうか怪しい答案」を、「最短距離ではないものの目的地には着ける答案」より高く評価する理由は、正直何もないと思うのですよね。

前回の道案内問題よりは、答案の出来具合をALL OR NOTHINGではなくレベルごとに採点しようという姿勢は見えると思うんですね。

しかし、ちょっと基準が謎すぎて、何の力を測りたいのかが結局見えない試験になってしまったように感じます。

大問3(小説)

百田尚樹ですか……。

そういえば百田尚樹の小説が入試に出たの、初めて見るかも……。

いや、だから何だというわけではないのですが。

問1 付属語「らしい」の識別。

こういうのは全部暗記しようとしても無理がありますから、「置き換え法」をベースに意味を見分けていくのが多くの中学生にとっては最適だと思います。

置き換え法でこの問題を解くと、次のような感じです。


「出番らしい」

→「出番のようだ」に変えてもほぼ意味が変わらない

→ア~エの選択肢のうち、ウ「時間があるらしい」だけは「時間があるようだ」に置き換えが可能、その他の選択肢は置き換え不可能

→ウが正解

問2 ちょっと模範解答が「甘い」かな、と思います。

「ぼく」の踊りに対する気持ちが前向きなものへと変化したきっかけは、明確に

「壬生が一度しか見ていない踊りをマスターしていたことに気づいた」

と示されているわけですから、ただ単に「真剣に取り組んでいる」と書くだけでは本来は説明不足です。

なぜかというと「壬生が真剣に踊っている」ことは、すでに15行目で示されているわけですね。

よって、ただ「真剣に取り組んでいる」という解答だと、なぜ15行目の段階でぼくが壬生と踊ることに前向きになれず、24行目の時点で急に気持ちが変化したのか、が説明できなくなってしまうのです。

本来「壬生が踊りをマスターしていることに気づいた」という内容が書かれていて初めて満点をつけるべき問題であって、ただ「真剣に踊っている」だけでは6点中4点を与えるのが本来ならば妥当なのではないかと考えます。

ましてや、採点基準を見ると「踊る壬生を見て」だけでも満点つけてOK、としてあるんですよね……。そんな答案で本番満点つくはずがないです。

踊る壬生を見て 恋が始まって

そうですね……わたしがこの条件で解答を作るとするなら


「振り付けをマスターするほど真剣に踊る壬生に圧倒され、自分も真剣にならなければ申し訳ないと思ったから。」


ちょっと字数カツカツですね。

「振り付けマスター」の話を含めて書くとなると、50字程度の字数はほしいところです。

大問4(裁量・説明文)

細かい設問の話よりも、文章読解のコツをひとつ覚えてください。

それは

「当たり前ではないこと」

「普通ではないこと」

が国語のテストでは狙われる、ということです。

「妹が姉のプリンを食べてしまったので、姉は怒りました。なぜ姉は怒ったのでしょう?」

こんな問題はテストには出ません。

「妹が姉のプリンを食べてしまったのに、姉は喜んでいました。なぜ姉は喜んだのでしょう?」

テストに出るのはこっちなのです。

で、今回の問題。

「生きる意味を知るためには、ワクワクすることが大切だ」

当たり前すぎて、何も面白くないですね。

「生きる意味を知るためには、苦悩することが必要だ」

本来はネガティブな意味である「苦悩」を、なぜかポジティブに受け取っている。

この文章は、もう冒頭部分から「苦悩」がメインテーマであることが明らかなのです。

このように、文章のどこが焦点となるのかを素早く見抜くことができれば、あとは簡単ですよね。

「なぜ苦悩することに意味があるのか? どのような意味があるのか?」

が書かれた内容に着目して文章を読み進めていけばいい、ということになります。

このような「目の付け所」を持たずに裁量の説明文に取り組んでも、なかなかスムーズに解答することはできないのです。

問題は、ちょっと問2の「どのようなことですか」という質問が曖昧というか不親切というか、何が求められているのかが判然としない書き方だな、と感じました。

出題者の意図を明記せず受験生に「忖度」させるような問題文はあまり良いものではないとわたしは思います。

問4の記述は、問題は妥当なものだと思いますが、やはり採点基準が……。

別解としてOKとされている「現実に対する内部からの『異議申し立て』」はそもそも比喩表現なので理由説明問題の解答としてはそもそも不適ですし、内容も抽象的すぎて「説明」と言えるのかと言うと疑問です。✕にすべき、とまでは思いませんが、完全にマルを与えるべき答案ではないと思います。

問3と問5はちょっと裁量にしては簡単すぎる気がしますが、まぁバランスという意味ではこんなものなのでしょうか。どうだろう。

大問5(古文)

前回と比べて、ボリューム、難易度ともにかなり上がった感があります。

5行目「皆を張りかへ候はん(=障子を全部張り替えること)」と、

2行目「障子の破ればかり」を張り替えることが対比されていることに気づけたでしょうか。

ここに気づけずにいると、4行目「尼が細工によもまさり侍らじ」あたりから、この話全体を「母が自分の障子張り替え技術を誇っている話」だと勘違いしてしまいそうです。

問3の選択肢も、アでやられる生徒相当多いんじゃないですかね。


木曜と金曜、日大高校さんとの「プログラミング」イベントがあります。

来週のブログはそのレポートになるでしょうか。


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