
FiveSchools
半田先生ゲスト授業/当塾運営体制に関する重要告知の予告
11/15(金)に、三鷹市議会議員・半田伸明先生による特別講義を行いましたが……

いやぁ、本当によかったですね。
生徒のみなさんがどのように感じたかは人それぞれでしょうが、講義タイトル「地方自治のリアル」の名のとおり「市議会」という、中学生にとっては(いや、われわれにとっても)正直何をしているかよくわからないところで、日々どのような仕事が行われているのかがよく伝わってくる内容でした。
細かい内容は動画に収録してあるので、もし興味のある方はお問い合わせください。
(有料にはなりますが)来塾していただければ受講も可能です。
ここでは、半田先生の講義のどこがすばらしかったか、特によかった、個人的に感動した点を3つ記しておこうと思います。
1つ目は「教科書に対するオブジェクション(=異議申し立て)」をやってくれたこと。
教科書、学校の授業では「地方分権」という言葉を習います。
実際に「地方分権一括法」という法律もあるわけですし、事実としてそれを教科書で教えることは何もおかしくはない。
しかし、よくよく考えてみると「地方分権」という言葉には、ある「上から目線」感が隠れているんですよね。
つまり「中央=国があくまで主権であって、地方に権限を『お恵み』してやっているんだ」というメッセージがにじみ出た言葉と捉えることもできる。
「そうじゃない、地方議員、地方公務員は『地方主権』だと考えて日々仕事をしているんだ」
「国・中央と地方は『対等』なんだ」
という半田先生からのメッセージに、「なるほど!」と爽快感すら覚える納得感を得ました。わたしは。
そもそも、あくまで教科書って存在じたいが「国・中央目線」なんですよね。考えてみれば。
国の立場で作っているわけで、そうなるのも当然ではあるんですが。
そして、一般的に中高生、いまは大学生でさえも
「教科書に書いてあることは常に正しい」
という意識で勉強をしてしまうところがあります。
しかし、「教科書に書いてあることがおかしい」という事態も往々にしてあります。
数学ではそうそう起こらないのかもしれませんが、なくはないでしょう。
(小学校における『掛け算の順序』問題もありますし)
国語の教科書はその最たるもので、評論文・説明文というのは原則として賛否両論あるようなテーマしか題材になりません。教科書の記述内容に異議を唱える人がいるのはもはや「前提」なのです。
(全員が全員賛成する社会的意見など存在するわけがない)
小説の場合だと、その小説を読んでどのような感情を抱くのかは個々人によって千差万別。そもそも「何が正しいのか」ということすら曖昧ですよね。
「文法」だとどうでしょう。ちょっと言語学・日本語学をかじった人なら
「学校で教えられている国語文法体系は、日本語教育の現場ではほぼ使われていない」
「学問の場でも批判の多い、かなり問題の多い文法体系だ」
ということを誰でも知っています。
でも、社会科って、国語と比べると
「教科書に書いてあること=100%正しい」
って思ってしまいがちな教科じゃないですかね?
そんなことない?
たとえば歴史の場合。
「1192つくろう」「1185つくろう」問題を考えても、最新の研究によってそれまでの教科書内容があっさりと否定されてしまうケースはよくあることです。
地理・公民だって「最新の情勢」が変われば、当然教科書の内容はコロッとひっくり返ったりする。決して無謬のものではないわけです。
(だから学ばなくていいとか、そういうことではないですよ当然)
ただ、やはり「学ぶべき前提」として教科書がある以上、日々の勉強の中でいちいち教科書を疑っていてはキリがないですから、「当然正しいもの」として教科書を受け入れるようにどうしてもなっていくものです。
教える側も学ぶ側も。
そんな中、実際の現場で仕事をしている人の目線で
「教科書の視点が必ずしも正しいとは限らない」
ということを明確に伝えてもらえたわけですよ。これは大きいと思う。
半田さんのあの「地方主権」という一言は、受講生諸氏のものの見方を複眼的なものにする効果がかなりあったんじゃないかな、とわたしは強く感じたのです。
(この思いを、次回半田さんにお願いするゲスト企画で活かしてみたいと考えています)
2つ目は、これは内容とは関係ないんですが、半田先生の授業がとても素人とは思えない、すごくプロっぽい授業だったことですね。
次の3枚の写真を続けてごらんください。



一般の方は、普通に半田さんがしゃべっているだけにしか見えないでしょうが、集団授業で新人研修などを担当したことのある先生は驚くと思いますよ。
これを「集団授業完全未経験」の人がやってると聞いたら。
そう、業界でよく言うところの「半身での板書」というやつです。
素人って、とにかく「板書に書く」という作業と「生徒に語り掛ける」という作業が分離してしまうんですよ。
いや、もっと言うと「板書に書く」ほうが主となってしまって、「生徒」の存在が頭から飛んでしまう新人のほうが多い。
でも、授業って、語り掛けるべき生徒のほうを見ながら行うのが当然のものなんですよね。
本当は。
何のために、誰のために授業を行うのか?
を考えたら当然すぎることです。
ただ、これは新人にとって結構むずかしいんですよ。
訓練しないとまずできない。
はずなのに、誰も何も言ってないのに自然とコレをやってしまうのを見て、ついついテンション上がってしまいました。
板書姿勢だけじゃないんですよ。
生徒への発問の多さとか、ヒントを与えるタイミングとか、ふつうに技術的に授業がうまい。
(というか、この「腕まくり」も本職っぽいですよね……)
議員さんって、やっぱり議会で話をする機会、市民の前で講演する機会なども多いでしょうから、自然とこういうスタイルが身についてしまうものなのでしょうか?
それとも半田さんが特殊なのか。
他の議員さんをほとんど知らないのでアレですけど。
3つ目は「政治的な色を消す」ことにすごく気をつかってくださったことですね。
半田さんはそもそも無所属でずっとやってきた人なので、そもそもそんなに政治的な立場に偏りのある人ではないと思っています。
だから、そんなに「政治色の強いネタを避ける」必要はなかったような気もするんですが、そこにさらに気をつかって話すネタを選んでくれているなぁ、と。
「駐輪場をつくる」とか「下水道の工事」とか、そういう話題ばかりでしたからね。
正直、塾経営者としては偏りきったド左翼政治家とかネトウヨ政治家とか呼べないわけですよ。安倍政権批判とか韓国批判とか授業でやられたらウチまでそういう塾だと思われかねない。
経営者であるわたしの立場、さらに聞いている生徒保護者の立場どちらにも配慮していただいた内容であって、ネタ選びの段階から気配りが行き届いているんですよ。
しかも前準備もかなりしてくださっていたようで、本当にありがたいことでした。
という3点によりまして、わたしとしては「感動」レベルにすばらしい授業だったと感じているわけです。
そんな半田先生、必ずまたFiveschoolsに登場してもらうよう、すでにお願いをしました。
正確な日程は決まっていませんが次回はたぶん7月の土日、今度は社会ではなく「現代文・小論文」の授業の一環として、中学生高校生入り混ぜての企画を立てようかなと思っています。
ぜったい面白いものになると思いますので、こちらもご期待いただければ。
そして、予告です。
来週のブログで、当塾の運営に関する重要な告知をすることとなります。
(ネガティブな内容ではありません。「運営終了のお知らせ」とかではない。)
あ、道コンレビューも次回ですね。
ということで、次回かなりのボリュームでお送りすることが確実な当ブログ、注目していただけると嬉しいです。