top of page
  • 執筆者の写真FiveSchools

2019年4月道コン国語レビュー

更新日:2021年1月13日

道コン受験者は、問題を手元に置いて読み進めることをおすすめします。

正答率などのデータ

中1 大問1

問1(3)「おさまる」「おさめる」は今回出題された「収」だけでなく、「修・治・納」も書けるようにしましょう。それぞれの漢字の意味と、用例を説明できますか?


問2(4)も同様に、「効」だけでなく「利」も。「聞」はさすがにわかるでしょうが、「効く」と「利く」の違いは答えられない人が多いのでは。


問4 これ、「弟は兄から辞書を借りた」が模範解答だろうな、と思いましたし実際そうでしたけど、「弟は兄から辞書を貸してもらった」にするとマルになるのでしょうか。

「~てもらった」にすると「恩恵」的な意味が付加されるので、「内容を変えずに」という条件にやや違反する気もするような、しないような……


中1 大問2

問2が、本文に答えの候補がありすぎて、どれを使ってまとめればいいか迷った生徒が多かったのでは。

基本的に「意味が同じならどれを使ってもOK」なので、意味が重複しないようにすることが重要です。意味が重複するものを2度使ってしまうと、そのぶん解答できる内容が減るので、中間点を削られる危険性が増しますので。


中1 大問3

問4の記述は、「お互いの関係が確認できる」と「大きな声であいさつ(=相手に届かせる)」の2ポイントを書けば正解なのですが、どちらも「問題文」それ自体に大きなヒントが書いてあることを確認してほしいです。


まず質問が「どのように挨拶することが大切ですか」と言っているので、それに合う答えは「大きな声で/相手に届くように」以外に無いんですね。

「相手をきちんと見て」等もありますが、これらは「大きな声」を前提とした内容になっていますし、「できれば~望ましい」程度の表現でしか書かれていないので、「大きな声」を書かずにこちらだけを書くのは良くない。


それと、「---ため、………」という形で書け、という条件。

つまり「大きな声であいさつすべき理由」を書け、ということが指定されているわけです。

すると、もうひとつのポイントである「お互いの関係が確認できる」が発見できますよね。


つまり、中学校の勉強全般(国語に限らず)で求められる、

「問題文から必要な情報を読み取る」

「その情報に沿って答えを見つけ出す」

ことを学べる典型的な問題だったといえましょう。


おそらく、2つのポイントのうち1つしか答えずに△にされるケースが多発するものと思われます。

この問題で◎を取るには何が必要なのかをしっかり考えると、今後の勉強全般に活きてくると思いますよ。


中2 大問1

漢字は「拝」がちょっと難しいぐらいで、全体的には簡単なレベルかな、と。

下手すると中1のほうが難易度高い……?


詩の問題とか昔からの国語講師的にはなつかしいですね。

昔は基本的に大問1が詩だった時代があるんですよ……(遠い目)


詩の問題のレベルとしては、本文の表現技法と心情をつかまえて、消去法かければ解けるレベルの基本的なものですが……

慣れてないと戸惑うかもしれませんね。


中2 大問2

文章内容としては標準的な難易度だと思います。

今回のように人物の「葛藤」を描いたパートを出すのは非常にありがちなパターンなので、「葛藤」の内容を整理しながら読解することは今後意識してみてください。


ただ、問題がやや解きにくいかもしれません。

問3と問4が。


問3は、多くの人が「もどかしさに身悶えした」を書いたのではないかと。

「もどかしさに身悶えした」のは、傍線部3の場面よりも前から分かっていることなんですよね。

19行目時点ですでに「何となく分かった」と「僕」が言っている内容なわけですから、傍線3のタイミングで「目つき」から判断した内容とは言えない、ということです。


問4は、字数制限30字程度というのがかなりタイトで、本文表現そのままの抜き出しだとおさまらないんですね。普通。

本文表現そのまま使って、字数気にせず書くと

「僕に二回目の挑戦であればもっと早く上達できると言われたことで、もどかしさが自信や闘志へ変化し、再び練習しようという気持ちになった。」

こんな感じでしょうか。これだと65字ですから、半分にしないといけない。

「変わったきっかけも明らかにせよ」

「心情の変化を説明せよ」

という問題指示に違反しないように、どうすれば30字程度にまとめられるかを考えねばならないわけです。


ただ、模範解答の「『僕に励まされたことがきっかけで』」は、あまりに雑にまとめすぎじゃないでしょうか。

花香の心に響く励ましだったから意味があるわけで、単に「がんばれ」と言っても響かないじゃないですか。だったら「僕の励まし」のどこが花香に響いたかを書かないと、説明にはならないと思うんですけどね。

わたしが実際に書くのであれば

「僕の言葉で本来の力を早く取り戻せる可能性に気づき、自信を取り戻した。」

とかかなぁ……(これで34字なので、かなりギリギリです)


国語の採点の厳しさは上位高とそうでない高校で全く違う、というのはよく言われることです。

正直、道コンのオフィシャル採点基準はヌルいので、仮にマルついていたとしても、上位高受験生は自分により厳しく、もっと良い書き方はないか追求する姿勢は持っておいたほうがいいと思いますよ。


中2 大問3

問1ができない、わからないという人は、今すぐ「やさしい中学国語」を読んでください。

すべて本で説明していますので、ここでは触れません。


というか、すっごい簡単ですね、今回の説明文。

文章もまぁ簡単ですけど、それ以上に問題文があまりにもヒント垂れ流しなので、本文読まずに問題文読むだけでだいたい答えの見当がついてしまう。


問2は本文読まなくても答えはエに決まっていますし、問3も「どうせ答えは『考えなくなる』みたいな感じでしょ……」と思ったら思いっきりそのまんまでちょっと笑ってしまいました。


問4も、要するに39行目の段落をほぼコピペすれば満点、みたいなもんですからね……


正直、全体的に面白くない問題だな、という感想です。

大問2がなかなか考えさせる問題だっただけにちょっと残念。

小説との難易度のバランスをとった、ということなのかもしれませんが。


中2 大問4

注釈なしで出題すれば、高1生あたりにちょうどよさそうな文章なんですけど……

あまりに注が多すぎて、単に「注釈をちゃんと読みましょうゲーム」みたいになっているのがちょっと……。

ということで、注をしっかり読みましょう。



中3 大問1

問3 そもそも、漢和辞典という出題が「ややレアもの」なので、面食らった生徒が多かったことでしょう。「やさしい中学国語」ではちゃんと説明しておりますので、知りたい方はぜひご購入を。


そして、漢和辞典の基本がわかっている人でも、肝心の「ころもへん」「しめすへん」の区別ができないと点が取れない。

「ころもへん」と「しめすへん」の違いは、部首の由来を意識すると忘れずにすみます。「しめす」は「示」ですし、「ころも」は「衣」ですよね。

「衣」のほうが、右サイドに出っぱりがあるわけですから、こっちが「複」の部首ですね。


あるいは「しめすへん=神」を意味することを知っておくのもいいですね。

そうすると「しめすへん」はわかるわけですから、消去法的に「ころもへん」もわかる。


部首ひとつとっても、原理原則を理解しておくのとそうでないのでは、イザというときの「記憶引っ張り出し力」が変わってくるものなのです。


中3 大問2

問2 いい問題だとは思いますが、「お見合い」という言葉を使うな、という指示は蛇足かなぁと。

「お見合い」が明確な隠喩ですから、隠喩を解答には使わないという原則じたいを生徒には身につけてほしいので。

ただ指示通りに「お見合いを使うな、と言われたから使わなかった」という生徒は、その原則もアタマに入れておいてください。

答えとしては

「困ったときに金が稼げるように」

「海女の技術を身につける」

「海とかかわりあうきっかけを与えたい」

「海と合うかどうかを試してほしい」

の4要素を見つけ出せたかどうかです。


問2以外はごく基本的な問題ではないでしょうか。


中3 大問3

全体的にいい問題だと感じています。

実力差がいい感じで反映されますし、表層的な読み方では通用しないような設問にもなっていますし。


問2 「同意表現」の基本的な方法がわかっているかどうか。

「説明しろ」とか「理由を答えろ」という問題ではないですからね。

つまり「傍線部とまったく意味が変わらないような場所」を探すことがコツです。

おそらく誤答として多そうなのは

「同量あるいはそれ以上の収穫を永続させること」

とかでは。

これだと、何がマズイかわかりますか?

傍線部内にある「資源を強化する」「余剰分だけを頂戴する」という意味が入らなくなってしまうんですよ。

特に「余剰分だけを頂戴する」は傍線部の「述語」にあたる場所じゃないですか。

述語というのは文の根幹なので、その内容が入らない箇所が答えになるとは考えにくいのですね。


問3 これは、問題文の意図をちゃんと読み取ったかどうかが問われています。

「鶏の腹を裂かない」というのは、つまり「やってはいけないこと」ですよね。

だから、答えも「~をしない」のように、「やってはいけないこと」を明示するように、否定文、否定の意味で書かないとダメなわけです。


逆に「やってはいけない否定的な内容を答える」という意識で本文をもう一度読んでみてください。正解になる場所が「光って」見えるはずですよ。


問4 これは、要するに後半部分の要約問題です。

つまり「傍線部の近くから答えを抜き出す」だけのやり方では、絶対に満点が取れないようになっているわけです。

質問の趣旨に合う場所を後半部分全体から見つけ出してきて、うまいこと字数におさめないといけないわけですから、ちゃんと「意味を理解しながら読む」習慣ができていない生徒はかなり苦戦したことでしょう。

こういう問題を道コンでも、学テABCでも、本番の入試でも出していただきたいものです。

そうすると、高校の勉強にもつながる読解力が身につけられると思うんですけどね。


中3 大問4

この文章、うちの古文テキストとモロかぶりなんですよね……

どうせ的中するなら入試本番にしていただきたいところです。


ただ、うちがテキストにするぐらいですからそれなりに難易度があると思います。

「都」を関東だと勘違いしてしまった人も結構いるのでは。


問2がダメだとだいたい問3もダメでしょうから、わりとやばいことになった生徒も多い気がします。

bottom of page