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ノート文字論2 マージナルな文字

最終更新: 2019年4月2日

マージナル(英語表記)marginal

https://kotobank.jp/word/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB-632731

[形動]周辺にあるさま。境界にあるさま。また、限界であるさま。「マージナルな位置に身を置く」「マージナルコスト(=限界費用)」


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わたしがこの仕事をはじめたのは18歳のときです。


で、1年目で最初から中3生を担当したので、当時の生徒との年齢差はわずか4歳。

そのときの生徒はすでに32歳なわけですから、もはや同世代以外の何者でもありません。


ちなみに、その当時の中2生、つまり5歳下の生徒が今某生命保険会社でガンガン営業しまくっていて、当塾あるいはわたし個人の保険はすべて彼女を経由して入っているのです。


そして、今わたしは次37になってしまうわけで、次の中3生との年齢差は22歳。

こわいですね。

おそろしいですね。

もはや親子に近いじゃないですか。


ただ、正直わたしが生徒を見る目線、視線はそこまで当時と変わってないというか。

昔に比べて中学生を「なんか子供に見えるようになったなぁ」と思うことはそんなになく(少しはあります)、ほどほどに子供のようにも見えるし、それなりに大人のようにも見えるという感覚がずっと今まで続いていますね。


そして、中学生を見て「明らかに子供だなぁ」と感じるのは中1まで。

「わりと大人だなぁ」と思うのは中2から、というのがわりとくっきりとした境界線として昔から存在しています。

あくまでわたし個人の感覚ではありますが、男の場合は声変わりとかありますし、まぁ一般的にも妥当なラインではないでしょうか。


そして、ここからが本題。


中1→中2にかけて急に大人っぽくなる中学生という生き物ですが、不思議なことに

「ノートの文字」

についても同じことが言えます。


教育業に従事されている方には首肯していただけると思うんですけど、中1生って「いかにもワタクシ小学生でございます」みたいな字を書くじゃないですか。

でも、それが中2生になると「ほぼ大人と変わりません」みたいに進化しません?

中2段階で字汚いやつは特別な措置をとらない限りだいたい大人になってもそのままになるじゃないですか。(巨大なブーメランが見えます)


たとえば、去年の中3生に過去の定期テスト全部持ってきてもらったんですけど、中1当時の答案を見るとやっぱりそうなんですよ。

どう考えても小学生の字。

しかし、中2になると、基本的な字体そのものは変わっていないのに、明らかに大人の字に変わってるんですよ。


アレ、なんでなんですかね。

第二次性徴とか声変わりとか、そういう物理的フィジカル方面の変化があるわけじゃないのに。


物理面、フィジカル方面の変化でないとなると、原因として考えられそうなことは、精神面、メンタル方面の変化なのかな、と。


何かとかっこつけたい年齢にさしかかるので、自分なりに

「今の自分の字は小学生っぽくてダセぇ」

と思って、なんとなく大人的な字を書こうという意識が働くのではないか。


あるいは、何らかの反抗心的なものゆえに、

「教師が強制してくるような『丁寧でキッチリ書いた字』なんてダセぇ」

という気持ちが出てくるのかもしれない。


今述べているような文字の変化って、たとえばちゃんとペン字とかをやっている生徒でも同じように起こるんですよ。


つまり、小学生のときは無駄に、必要以上にゆっくりと一字一句丁寧に書きすぎていて、それが小学生的アトモスフィアを醸し出したりする。

マジメなタイプの小学生の場合、マス目のあるノートにきっちり1マス1マス等間隔に字を書いたりするじゃないですか。


それが、中学生になると適度に手が抜けるようになって、必要がない力みがなくなっていくように感じるんですね。

だから、ノートテイキングのスピードも上がるし、授業中に「ノートばかりに集中して話を聞けない」という事態も起こりにくくなってくる。

適度に手を抜くことが、むしろ適切な授業の受け方につながってくる。


そうです。

文字をいついかなる時でも丁寧に書くことは、それほど良いことじゃないんですよ。

どうでもいいことに力を注ぐことは、重要なことに割くリソースを奪うことに他ならない。

保護者さんはわりと

「もっと丁寧に字を書くよう言っているんですけど……汚くてすみません」

みたいにおっしゃる方もいますが、わたしから見れば必要十分な文字であって、特に直す必要性を感じない場合も多いです。(感じる場合も多少あります)


つまり、文字にもTPOというものがあって、すごくキッチリとした字を書くべき場面と、むしろスピード優先で、雑に書くことがむしろ適切な場面も存在するわけです。


たとえば、小論文で800字の文章を書くときに、全部をキッチリした文字でゆっくり書くなんて明らかに無意味ですし、むしろ試験時間を食いつぶすことを考えると明らかに目的にそぐわない。作文や小論文の文字などというものは違和感なく読めれば十分です。

(違和感なく読めないレベルの場合は別です)


高校生にもなると、たとえペン字を何年も習っていて、本気になればすごく美しい字を書ける生徒でもちゃんとスピードを優先して「適切な汚さ」で書いてきたりします。

それでいいんですよ。


板書をノートにとるのもそうですね。

「トメハネハライをしっかりつけて、線は定規を使ってまっすぐ書く」なんてマジメな小学生はやりがちですが、そんなものに意味はほとんどなくて、むしろ授業時間のロスになる弊害のほうが大きかったりする。当塾では定規を使って線を引くことも、ノートテイキングに時間をかけすぎることも、いずれも矯正・指導の対象です。

(ただ、数学の計算時とか、ある程度整った字で書かないと計算ミスを誘発するというのは以前も書いたとおりですが)

「ノート文字論1」

https://www.fiveschools.com/blog/181207



生徒自身は決して意識しないでしょうけど、いわゆる中学生らしい「背伸びをしたがる心理」「反抗心的」なものが、自然と「文字の書き方」「ノートの取り方」を適切な方向に向かわせているのだろう。わたしはそのように感じるわけです。


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あ、3月31日(日)、新小5~新中1向けのイベントやります。

小学国語とか、わりと斬新な内容になった自信があるので、興味のある方はご参加のほどを。

https://www.fiveschools.com/blog/190301-spring-event

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