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  • 執筆者の写真FiveSchools

2018年11月道コン国語レビュー

更新日:2021年1月13日

※ 標準・裁量問題に分かれている科目は、原則裁量の対象部分しか扱いません

※ 特にコメントすることのない問題は何も書きません


小学生まではちょっと手が回りませんが、中学生についてはこれから毎回全学年やりたいな、という気持ちでいっぱいです。

気持ちだけはいっぱいなんです。


さて、レビューの目的はただひとつ、これを読んでいる保護者&生徒のみなさんに、ひとつの「復習の指針」を持ってもらうことです。


いちばんよくあるパターンって、道コンを受けて、ハイ終わり、問題も解答もどこ行っちゃったかわかんないってやつじゃないですか。

家に帰るまでが遠足であるように、復習するところまでが道コンなわけです。


しかし、ただ闇雲に「復習しろよ」と言っても、「どのように、何を復習したらよいかわからない」というリアクションがかえってくることは容易に予想ができます。


よって、わたしなりの


「今回の道コンでは、ここをこのように復習すべきである」

「このように考えると、もっと点数が上がるはずである」


というビジョンを示そうと思っているわけです。


もちろん、うちの生徒諸氏にはもう伝えてある内容ではありますが、うちの生徒諸氏にも「復習の復習」としてこのコーナーを役立てもらえれば何よりであります。


問題を手元に置いて読み進めていただければ。

正答率などのデータは道コンHPに記載があります。


大問2

問1 

どちらも4割を切る正答率。

「解答」と「回答」は有名だと思っていたんですが、そうでもないのか……

「低滞」は、理科で「停滞前線」ってやっているので、そこから発想できれば取れたと思うのですが。

まぁ、理科の問題は答えを漢字で書かない生徒多いですからね。

理科でやっている熟語だからわかるでしょ?というわけにもいかないのかもしれませんが。

いずれにせよ、同音異義語は出題されやすいのですから、日々漢字を勉強するときにから「同じ読みの他の熟語」は意識して覚えるようにしたほうがいいのでしょう。

それって、結局読解力アップにつながったりもしますからね。


問3

①これが65%ぐらい得点できているのは、「逆説」という言葉のイメージを知識として持っている生徒が多いのか、

それとも本文中の「急がば回れ」の説明から読み取ったのか、どっちなのでしょうか。

どっちでもいいんですけど、「逆説」というワードに「矛盾性」があるというイメージを持っておくことは重要です。

高校進学後の現代文を考えると、絶対に外せないキーワードなので。


②この問題の意図が正直よくわからない。

単なる書き写し作業にしか見えないのだけど……

自分で答え書いていて「本当にこんな答えでいいのか?」と心配になった生徒もいるのでは?


③前回のこの種の問題に比べて、満点は明らかに取りにくくなったと思います。

というか、記述全体的にそうですね。何かしら1点か2点は点を落としやすい罠が仕掛けられている印象です。


この問題で2点以上失点した人は、いい教訓ですので必ず次に活かしてください。


おそらく、失点ポイントとしては

「七音」を書かなかったこと

「強く印象付ける」を書かなかったこと

の2ポイントでしょう。


わざわざ問題文に(A)~(C)の内容をふまえて、と書いてあるわけですから、


「(C)だけでは答えが出ないな」

「(A)と(B)にも解答のポイントがあるはずだな」


と推測せねばならない。

そして、「帯に短し~」と共通するポイントを探せば、さっきの2ポイントはキッチリ発見できるわけです。


大問3

問1 

これも「問題文」を読んだかどうか、「問題文」に素直に答えたかどうか、が問われる問題。

問われていることは「問題点」なんですから、「切り取りや分解」をしたときに


「どのようなマズイことが起こるか」-①

「なぜマズイことが起こるか」-②


の2点を書く必要があるわけです。

①は書けている人が多いと思うんですけど、②を抜かした人が多かったのでは。


「理由」を含めて解答を作る、というのは記述のよくあるパターンですので、字数的に書く余裕があるときは


「なぜなのか」


も一緒に説明する習慣をつけるといいです。


問3が簡単で、問4が難しいとみなさん思っているでしょうし、それはそのとおりですよ。

ただですね、問3がキッチリわかっていれば、問4だって書けるんですよ。

問3はできたけど、問4ができなかった、というのは、わたしに言わせれば問3の理解も甘いんです。


今回の文章のポイントは


「一般論 木を見て、森は見なくていい」

「主張 木も見ろ、森も見ろ」


です。ごく定番の「常識・一般論vs筆者の主張」のパターン。


だったら、「わかる」ためには


「木も見ろ、森も見ろ」

=「小さなレベルも、大きなレベルも見る」必要がある

=「あらゆるレベルで対象を見る」必要がある


ことを書くべきだ、という判断ができる。

点を落とした人はほとんどここで失点してますよね?


「筆者の主張」という根本をつかまずに、表面的テクだけで解こうとすると失敗する、なかなかの良問だと思いますよ。

高校生・高卒生が受けても、中途半端な読み方しかしないやつは簡単に点を落とす問題だと思います。

(個人的には、「あらゆるレベル」という表現だと曖昧すぎるので、「ミクロからマクロまで」「小さなレベルから大きなレベルまで」のような言い方にして書くべきだと思いますが)


大問4

明らかに大問3のほうが難しいと思うんですが……

どっちが裁量問題だよ、というのが第一印象です。

まぁ、小説で難しい良問作るのって難しいんですよね。わかります。


問2

「問題文の条件づけ」を見ないとダメですよ、という教訓を与えてくれます。

「滝さんが大けがをした日以外」を答えた人いますよね?


問3

当たり前ですけど、失点した人のパターンは次のどちらか/両方ですよね。


「太ももに生々しく刺さった黒く光る鉄の銛」を書かなかった。


→このミスをした人は、おそらく直後に「しかし」があるため、こっちは書いてはいけない(書かなくてもOK)と思ったのでは。

変な「テクニック」で国語を解こうとする人が陥りやすいミス。

質問文は「焼き付いた光景はどんな光景か」なんだから、目に焼き付いたものは全部答えればいいだけですよ。

さっきも言ったように、質問には素直に答えましょう。


あと、小説も説明文も、「状況を具体的にイメージすること」「絵にして思い浮かべてみること」は結構重要です。

そうすれば、どう考えても「銛が刺さった太もも」が印象に残らないわけがない、と判断できるのでは。


「本文に書かれていることだけを答えろ」

「自分で勝手に想像するな」


と国語ではよく言われますしわたしも授業でよく言いますが、

それは「本文に書かれていないことを勝手に作ってしまう」からダメなんであって、

本文に書かれていることを具体的に想像する」ことは重要なんですよ。

わかりますよね、この違い。


「滝さんが痛そうなのを隠している」「すまなそうにしている」ことを書かなかった。


→これは、洋次の「心情」とその「理由」のつながりを考えてないわけです。

さっきも言いましたけど、「理由」を考えないと国語の問題はポイントが見えてこない。

なぜ、「リヤカーの上の滝さん」が洋次の「印象に残った光景」になったのですか?

つまり、本文から「洋次の印象に残りそうな、滝さんの様子」を具体的に導いてこないとダメなわけです。


問5 

これはうちの生徒も全員完答できていましたし、なんてことのない記述ですよね。

強いて言えば、「なぜ洋次は滝さんになかなか近づけなかったのか」を考えなかった生徒が失点した、ぐらいでしょうか。


ね、結局は「理由」なんですよ。

問題はもちろん毎回違いますけど、求められる内容・技術は毎回似通っている。

このことに気づけるかどうかが国語ができるようになるかどうかの大きな境界線です。


大問5

読みやすい古文でしたが、注意すべきは問2の問題形式ぐらいでしょうか。

ちゃんと空欄に当てはまるような答えにしましたか? という。

この文章の大意が取れないようだと何が出ても点数にならないと思うので、あまり意味がわからなかったという人がいたら急いでわたしのところに相談に来てください(宣伝)

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