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  • 執筆者の写真FiveSchools

2019年1月道コン国語レビュー

更新日:2021年1月13日

このレビューの目的は、読者の皆さんにひとつの「復習の指針」を持ってもらうことです。

道コン受験者は、問題を手元に置いて読み進めることをおすすめします。

正答率などのデータは道コンHPに記載があります。


中1 大問1

問3以外は正答率も高めで、全体的にそんなに難しくなかった感じですね。


問3「誤字訂正」は基本できない生徒が多いです。

中2~中3になっても。

漢字にはそれぞれ漢字それ自体の意味がありますから、まずは単に流れ作業として書き取りをやるのではなく、漢字それ自体の意味を意識・理解しながら勉強していくこと。


もうひとつは、「同じ字を使う別の熟語」を考える習慣をつけることです。

今回だって「往復」が思い浮かべば点数取れたわけですから。


その他の問題については特にありません。


中1 大問2

問1 単純に主語を問う問題で正答率50%ってちょっと衝撃的じゃないですか。

以前からこんなもんなのでしょうか。

主語がつかめないで、いったいどうやって英語を勉強しているのだろうか……。


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問2 26字という条件があるから正答率が高かったものの、これが「25字程度」になった途端に正答率激減しますから。

「26字ジャストというヒントがなくても正解できたか?」

という自問自答は必要です。


問4 「バーバの状況を明らかにして」という条件を見落としてはいませんでしたか。

「問題文に正しく答える」ことは、国語に限らずどの科目でも必須の技術ですから、問題文で「何を求めているのか」「何を答えればいいのか」を素早くつかむトレーニングをしましょう。


それができれば、「気持ち」を答えるのも容易になったはずです。


問5 「~ことに加えて……」という形で書け、という制限があるから正答率が高めになったものの、中2~中3になるとこういうヒントは減っていきます。

問題文の指示がなくても


「他にもまだ『私が切なく感じていること』が本文中に書いているのではないか?」


と疑って、チェックをかける習慣を早めにつけることが重要です。


中1 大問3

問3 これも今言ったことと一緒で、


「他にもまだ『日本語を習得しにくい理由』が書いてあるんじゃないか?」


と疑う姿勢を持つことです。

今回は「敬語の面」「文字・漢字の面」「文法構造の面」と3つの観点から「アメリカ人にとって日本語が難しい理由」が書かれているわけです。


すぐ後ろに「敬語」の話が書いてあるからと言って、敬語の話だけを答案に書いて満足している姿勢を続けると、国語で上位を取ることは難しくなります。

1つポイントを見つけたからと言って安心しないで、全体を読め」

この姿勢を忘れないように。


中1 大問4

問1 歴史的仮名遣いで「う」がつく問題は要注意パターンですね。

もっと言うと、「ふ」がついたらさらに要注意です。


この意味が理解できない人は今すぐ「やさしい中学国語」を買ってください。


内容的には古文で難しい問題が出ることは少ないので、とにかく

「現代語と同様の言葉を探しながら、文章全体のストーリーをつかんでいく」

ことです。

「現代語と同じような言葉」をつかんでいくだけで中1~中2レベルの古文はほぼ満点取れますからね。

「古文=難しい」という先入観をさっさと捨てることです。


中2 大問1

問1 全体的に正答率が低いですね。

「踏襲」が難しいのはまぁわかるのですが、「交錯」を「こうさ」と読む人が非常に多いのは……。

数学で「錯角」ってやるわけですし、「さっかく→さくかく……そうか『さく』と読むのか!」という連想を持ててほしいところです。

「踏襲」も「舞踏会」とか、そういう言葉を引っ張りだせば正答できたかもしれません。


このように、読みの問題は「知ってる他の熟語から連想する」という技が有効な場合が多いんですね。

もちろん、その言葉の読みじたいを覚えることが最優先ではあるのですが。


問2 「余地」って、こんなに書けないものなんですね。

多くの人が「予知」と書いたのだろうと思いますが、文脈を確認しないまま漢字の答えを出してはいけません。


問3(2)① 句切れは「切れ字を探す→なければ『。』がつくところを探す」というプロセスで解きます。今回は切れ字がないので『。』がつくところ探しですね。


(3)敬語は、基本システムと最低限の語を覚えればすぐに点が取れるようになりますから、まずは「そもそも尊敬語とは? 謙譲語とは? 丁寧語とは?」この違いを自分で説明できるようになってください。

「相手を敬うのが尊敬語」とか言ってるうちは絶対点取れるようにならないですよ。


中2 大問2

全体的に正答率高めですね。


問1は「会意」とか「指事」が出れば正答率下がると思いますが、象形文字の問題だったので容易だったのでしょう。


問2も、空欄の前後と、字数の制限からすぐ答えがわかってしまう。そのわりには正答率低いですね。

これ間違えた人は、空欄の前後確認を徹底したほうがいいと思います。


問3 記述とはいえ、直前の内容のほぼ抜き出しなので取りやすい問題ですね。


問4 小説の答えこそ「本文中の客観的証拠」をもとにして出さなければならない、という基本をもう一度確認してほしいです。


つまり「もりっち」の心情を示す証拠は本文のどこにあるのか?ということ。

解説にも書いてあるとおりですが、24~25行目しかないんですよ。

「いっぺんそんな仕事をしてみたかった」

つまり

「そんな仕事をできないまま人生が終わりそう」という意味だと理解できるはずです。


このように「本文の客観的証拠」をつかまえていない状態で答えを出せば、適当に脳内でストーリーを作るしかなくなる。

そうやって適当に脳内でストーリーを作った人がひっかかりやすいような選択肢を向こうも用意してきますからね。


問5 記述の初心者は、まず「中間点がもらえそうな、大事であろうポイント」を箇条書きにして整理するところからはじめましょう。

いきなり答案を書き始めると、だいたい必要なポイントを漏らしてしまいますので。そうすると内容的に正しくても半分しか点が取れなかったりするわけです。


今回の場合は、「世界がリアルに見える」「機械の中がわかる」「作った人まで見える気がする」「機械が世界とつながってる」

の4点をピックアップさえしていれば、確実に満点が取れたはずです。


ただ、もう一段階レベルの高いことを言っておくと、「作った人が見える」という表現はやや比喩的なので、作った人の「何が」見えるのか?まで説明したいところですね。

今回はそこまで要求されていませんが。


中2 大問3

問1 品詞が分からない人は「やさしい中学国語」を読んでください。


問2 「16字」という制限があって、答えが直後にあって、これだけ正答率が低いのが解せませんが……

「服装を通じて、ほかの誰かとは違う自分を表現すること」あたりを書いたのでしょうか。


あくまで「自由であること」の意味なので、「自由」という言葉の意味とイコールにならないとダメですからね。

「服装で自分を表現する」というのは、「自由」のひとつの具体例ではあっても「自由」という言葉そのものの説明にはならないわけです。


問5 大問2ー問5と同様、

「1つポイントを見つけたからと言って安心しないで、漏れがないようにチェックせよ

ということですね。


「他者の評価に常にさらされること」

「すべてを自分で判断しなければならない負担」

が今回の答えのポイントですが、ほとんどの人は1つ目を見つけた段階で満足して、もう1つのポイントを書かずに終わったのだろうと思います。


こういう記述でポイントが1つしかないことはまず有り得ないので、

「他に点になりそうなポイントはないか?」

というチェックの目を持つことがいかに重要か、ということです。


あと、「息苦しさ」という傍線部の意味を意識することも大事ですよ。

「息苦しいこと」を本文から探さなくてはならないので、「息苦しさ」という意味を強く意識しておかないと、どこが答えのポイントなのかもつかめなくなってしまうわけです。


中2 大問4

特にありません。

返り点は一度キッチリ勉強しておきましょう。


中3 大問2

※ 標準・裁量問題に分かれている科目は、原則として裁量受験生の受験部分しか扱いません。

※ 特にコメントすることのない問題は何も書きません。コメントしていないからと言って、その問題が良くない問題だと言っているわけではありません。


正答率を見ればわかるとおり、非常に簡単だったと思います。

最も正答率が「低い」問題で84.6%ですからね。

問3(2)とか、これは試験として何の意味があるんだろうか?と疑問に思うところはあります。


ただ、問2は内容としては面白い問題だったと思います。

漢字それぞれに意味があることを意識するのは、読解上でもすごく大切なことですからね。


中3 大問3

問1はド定番の意味識別問題。

「れる」「られる」はどうせ高校行ったらすぐに古文で必要となる知識なので、今のうちに「受身・尊敬・可能・自発」の違いぐらいは説明できるようになってください。

特に「自発」ですよ。

「自発」は「自分から積極的に進んで行う」ことじゃないですからね。


このへんの意味をくわしく理解したい人は拙著「やさしい中学国語」をどうぞお買い求めください(唐突な広告)。


問2(2)

①に「自分よりも杉田のほうが技量が上だ」のような答えを書いた人が多いのではないでしょうか。


何の技量だよ。


その答案だと、もしかするとバイオリンがうまいのかもしれないじゃないですか。

自分の答案を読み返して、「意味が不足しているところがないか」をチェックする習慣は大事ですよ。

自分の答案を客観視する目を鍛えないと、今は適当に点数が取れても北大とかの二次試験は通用しなくなりますからね。


問4

いつもいつも言っていますが、

「答えのポイントは1つとは限らない」

(というか、長い記述問題で答えのポイントが1つということはまず無い)

ことを再認識してください。この程度の記述でポイントを見逃しているようだと先が思いやられます。


問5

模範解答のポイントは

A「年老いた旧友の歌を歌ったこと」

B「杉田と運命的な出会いを感じたこと」

の2点です。

ただし、19行目に

「知り合ったばかりなのに、たちまち数十年を親友として過ごした老人」になることを想像した

場面があって、そっちの内容を答えにした人が多かったのでは。


内容としてはポイントAと合致するので問題ないんですけど、そうするとポイントBを書く字数がなくなってしまうんですよね。

そこでポイントBを抜かしてしまって減点になるというパターン。


模範解答の内容よりも、ハッキリ言って

「知り合ったばかりなのに、たちまち数十年を親友として過ごした老人」になることを想像した

という記述のほうが場面を的確に説明できているし、本来はこっちが模範解答になってしかるべき問題だと思うんですよ。

ちょっと「20字程度」という字数設定に無理がある問題だったように思います。


中3 大問4

文章内容がかなり「カタイ」内容だったので、わりと難しいのかな?と思ったのですが……


そのわりに正答率は結構高めでしたね。

記述問題の採点基準がかなり甘めというか、


「とりあえず近くの内容を使って書いておけば、だいたい点になってしまう」


という感じになっていて、


「内容はよくわかってないけど、適当に書いたらマルになっていた」


という生徒が続出したのだろうと思います。


大学入試のように100字ぐらいかけて内容をキチッと具体的に説明させる問題や、あるいは自分で具体例を考えさせるような問題ならいいんですけど……


北海道の公立高校入試のフォーマットに合わせた出題だと、要するに「文章中のパーツをツギハギしたもの」が正解になってしまうじゃないですか。

そうすると、いくら難易度の高い文章を出題しても、その理解をきちんと問うことはなかなか難しいんだなぁと再認識しました。

今回の文章だと、下手に記述問題にするよりは練った選択問題にしたほうが理解度を問える試験になったんじゃないですかね。


昨今の教育改革ではやたらと「記述」が美化されていて、記述問題は善であり選択問題は悪であるみたいな風潮あるじゃないですか。

なんでもかんでも記述にすればいいってもんじゃないんだよ、と言いたいところですね。


中3 大問5

特にコメントすることはありませんが、古文は意外と

「ケアレスミス頻発地帯」

です。

問題文の条件(書き抜きなのか、説明なのか?)

歴史的仮名遣いはちゃんと一字一句対応しているか?

など、見落としのないように確認する習慣をつけてほしいところ。

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